人材育成の手法が多様化する中で、国際的な認定基準への注目が高まっています。この記事では、コーチングとメンタリングの両面を支えるEMCC(European Mentoring and Coaching Council)の特徴や資格制度について、わかりやすくご紹介します。
EMCC(European Mentoring and Coaching Council)は、1992年に欧州で設立された国際団体です。コーチングとメンタリングの両方を対象とし、倫理性や継続学習を重視した認定制度を展開しています。別の国際資格であるICF(International Coaching Federation)がコーチング専門に特化するのに対し、EMCCは包括的な支援を提供できる点が特徴です。60か国以上で導入される信頼性の高い育成基準として活用が進んでいます。
(2021年12月31日時点)
EMCCは設立当初から、コーチやメンターの専門性向上を目的に、認定基準や教育ガイドラインの整備に取り組んできました。個人向けの認定制度であるEIA(European Individual Accreditation)や、教育機関向けの認証制度であるEQA(European Quality Award)を展開し、現在では60か国以上で導入されています。日本企業でも、人材育成の基準として活用が進んでいる状況です。
EMCCのミッションは「倫理的で効果的なコーチング・メンタリングを促進し、信頼性の高い支援の枠組みを社会に提供すること」です。
また、ビジョンとしては「世界中の支援活動が高い倫理性と透明性のもとで行われる社会の実現」を掲げています。そのため、EMCCでは継続学習や自己研鑽を制度化し、認定後もスキルの向上を重視する姿勢が特徴です。
ICF(International Coaching Federation)やAC(Association for Coaching)といった国際的なコーチング団体と比較した場合、EMCCは特に「倫理規範の重視」「継続的な学習支援」に強みがあります。
また、EMCCはコーチングだけでなくメンタリング領域も対象に含めているため、より包括的な支援の提供が可能である点も他団体との大きな違いです。
ICFの認定は、プロコーチとしての独立や、企業内での人材育成を担う方に適しています。実践的かつ体系的なスキルの証明となり、特に英語圏やグローバルビジネスにおいて高い認知度を誇ります。一方で、自社内での導入を通じて組織全体の成長を目指す場合は、資格を取得するのではなく、外部パートナーを頼るという選択肢があります。
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Foundationは、コーチングに初めて取り組む方に向けた基礎資格です。コーチングの基本的な枠組みや対話スキルを学び、倫理的な関係構築の基盤を身につけます。
Practitionerは、一定の実務経験を有し、クライアントに対して継続的な支援が行える方を対象とした中級資格です。状況に応じた柔軟な対応力や行動変容を促すスキルが求められます。
Senior Practitionerは、より高度な経験を持ち、組織内でコーチングをリードする立場にある方、あるいは他のコーチを育成する役割を担う方に適した上級資格です。実績に基づいたエビデンスの提示も求められます。
Master Practitionerは、EMCCが認定する中で最上位に位置づけられる資格です。長期にわたる実績と高度な専門性を備えたコーチが対象となり、戦略的な支援や社会的影響を伴うコーチングの実践が求められます。
なお、これら4つの認定資格はすべて「Global Individual Accreditation(EIA)」制度の枠組みに基づいて運用されており、EMCCの国際的な基準に準じた認定制度とされています。
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